1979年白川勝彦政治法律事務所を開いて33年間、私の基本理念は一貫して“リベラル”と“権利のための闘争”であった。それは現在も変わらない。
珍しい無罪判決
N0.7
常識では考えられない残忍で刑事事件では、心身喪失による刑事責任能力の有無が必ず問題になる。かつてはこういう事件で心神喪失による刑事責任能力なしとされ、無罪が言い渡されることが結構あった。いまでもこれは変わらないが、最近刑事責任なしという判決はあまり聞いたことがない。
両親と姉殺害男性に無罪判決
―――判断能力認めず茨城県土浦市で04年11月、両親と姉の3人を殺害したとして殺人罪に問われた男性被告(31)の判決公判が27日、水戸地裁土浦支部であった。伊藤茂夫裁判長は「犯行時に正常な判断能力が残されていたというのは甚だ疑問と言わざるをえない」とし、無罪(求刑・死刑)を言い渡した。
判決によると、男性は04年11月24日、母(当時54)の胸を包丁で刺し、姉(同31)の頭を金づちで殴って殺害後、帰宅した父(同57)も金づちで殴って殺害した。男性は01年9月から自室に引きこもりがちになり、母親に暴力を振るうなど家族に対し異常な行動をとるようになった。
犯行時の精神状態について、検察側の精神鑑定は男性の責任能力を認めたが、判決は「24歳ごろから統合失調症にかかり、善悪を判断する能力は著しく損なわれていた」とする弁護側の鑑定結果を採用し、心神喪失状態にあったと結論づけた。
asahi.comの2008年6月27日の記事の引用である。鑑定書を読まないとなんとも言えないが、精神疾患を理由に刑事責任能力が否定されたのは最近では珍しいような気がする。かつては刑事事件はかなり慎重に行われた。しかし、最近では秩序維持・見せしめ・厳罰化の風潮の中で、刑事裁判が形骸化しているような気がしてならない。そうした刑事裁判の流れに一石を投じる判決のようだ。




