白川勝彦法律事務所
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1979年白川勝彦政治法律事務所を開いて40年間、私の基本理念は一貫して“リベラル”と“権利のための闘争”であった。それは現在も変わらない。

 

法律的利益と経済的利益

No.28

“原則として週1回の更新”という目標がなかなか果たせない。その理由はいったい何なのだろうか。ひとつの理由は永田町徒然草と違って、扱っているテーマにそんなに変化がある訳ではないからだと思う。私が仕事のひとつの中心にしている債務整理に係る法制にそんなに変化がある訳ではない。画期的な判例が毎日でる筈もない。

もちろん多く手掛けている債務整理の仕事には、日々いろいろなケースや参考になる事例もある。しかし、秘密保護の関係もあってストレートに紹介することには制約がある。債務整理の成功事例は沢山あるが、それは私の手柄ではなく債務者が積み重ねてきた実績に起因するものであり、私が自慢話をすることでもない。債務整理に関して言えば、「多額の借金でお悩みの方は弁護士に相談することだ」ということに尽きる。

弁護士はそれぞれのケースに応じて、最善の道を選択し助力してくれるであろうということに尽きる。医師の場合もそうであると思うが、法律問題の処理も個別具体的な事例についての個別具体的な対応なのである。それは弁護士でないと適切にはできない。素人がいくら法律の本を読んでも、最後は実務家が具体的処理することによってしか現実の問題解決には向かわない。

法律問題の処理は、病気に比べ弁護士によって事件処理に違いがあると思う。債務整理でもそうだと思う。依頼者の法律的利益を確保するという原則は同じであるが、“依頼者の法律的利益”という点が弁護士によって違うからである。法律的利益は経済的利益と必ずしも同じではない。

自己破産が認められるケースでも自己破産の道を選ぶことが依頼者の法律的利益に果たしてなるかどうかは弁護士によって意見が分かれる。破産宣告と免責を受ければ債務者は債務から解放される。経済的にはいちばん少ない金額で最大の利益を得ることはできるが、人間としてそれがいちばん賢明な道であるかどうかは分からない。法律的利益は必ずしも経済的利益ではない。法律的利益は経済的利益よりももっと広い人間としての利益なのである。

人間としての利益となると人によって意見が分かれる。価値観が関係する。依頼者の価値観もあるし、弁護士の価値観もある。法律問題の処理には、いつも価値観が係る。そこが難しいところであり、そこにやり甲斐がある。債務整理の法理は比較的簡単なのであるが、どの手段をとるかは依頼者と弁護士の価値観によって異なる。新しい依頼者と会う場合、私はいつも緊張する。人間と人間の出会いなのである。

  • 公開日時: 2008年12月23日 11時23分
  • 分類: 法律・政治
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