1979年白川勝彦政治法律事務所を開いて33年間、私の基本理念は一貫して“リベラル”と“権利のための闘争”であった。それは現在も変わらない。
ちょっと大袈裟にいうと・・・
No.23
永田町徒然草に書いてあるように、この10日間くらい2冊の本を発刊するため、その作業に忙殺されていた。さらに5人の身柄事件を抱え、そちらの方も手を抜くことができなかった。若い弁護士さんに手伝ってもらっているが、主任は私であるからそちらの方も疎かにできなかった。
白川勝彦法律事務所の業務の中心である債務整理の方も忙しかった。このように忙しいときは何もかも忙しくなるものである。ある依頼者に今回なぜ債務整理を決意するに至ったのか尋ねたところ、リストラされた訳ではないがこの1~2年で給料が徐々に下がり、いままではなんとか返済してこれたのだが、これから無理になると考え、思い切って白川勝彦法律事務所に来た、といっていたのが印象的であった。
この依頼者は、相当長い間6社のサラ金から借りていた。債権調査をしないと確実なことは言えないが、私の長年の勘では多分過払い金がでるケースだと思う。こういう方にお会いすると弁護士事務所というのは、やはり敷居が高いのだと思う。いまお医者さんに診てもらうのに、多くの人はそんなに敷居が高いと思っていない。かつてはそうではなかった。お医者さんに観てもらうためには高いお金が必要だった。そのために娘の身売りがあった位だ。
多額の債務に苦しむ人々にとって、着手金を用意することは極めて困難である。いっぽう弁護士が債務整理を受任し、これを追行するためにはけっこう手間ひまがかかるのだ。弁護士はふつう着手金を貰って事件を受任し、事件解決の実務追行を始める。それにはそれなりの理由があるのだ。成功報酬だけに頼っていたのでは、弁護士の生活は安定しないし、実務追行に歪みが生じる。裁判に勝つために何でもやってしまう弊害が出てくるのである。
白川勝彦法律事務所のように債務整理を数多く受任している事務所では、多くの依頼者から弁護費用を少しずつ頂戴しているので事務所の維持ができるのである。債務整理には膨大な手数がかかるが、それに携わる職員を抱えているからである。それなりの職員がいるから弁護士でなくてもできる仕事をそういう職員がやってくれるのである。利息計算や債権者に対する通知や交渉を弁護士がすべてやったのでは、一つひとつの事件処理は相当に高額になってしまう。
弁護費用は、債務額の10%がひとつの目安である。例えば300万円の債務整理なら着手金は30万円である。300万円の数社の債務整理を30万円でやれといわれたら、それだけではふつうの弁護士さんはちょっとやれないと思う。白川勝彦法律事務所の依頼者にはかなり地方の方々もいる。地方には着手金なしで債務整理を引き受けてくれる法律事務所がないという事情によるようである。
債務整理を業務の柱とする法律事務所が成り立つのは、債務整理をしようという人たちが多くいるからである。そういう人たちが私たちを支えているからなのだ。大袈裟にいえば、国民が作り上げたひとつの公共財なのである。だから、多額の借金に苦しんでいる人は、遠慮なく利用してもらいたいと願っている。餅屋は餅屋である。弁護士はどんなケースでも必ず役に立つことができる筈である。そのことを多くの人々に知ってもらいたいと、私は切望している。




