白川勝彦法律事務所
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1979年白川勝彦政治法律事務所を開いて40年間、私の基本理念は一貫して“リベラル”と“権利のための闘争”であった。それは現在も変わらない。

 

自己破産とリーガル・マインド

No.54

債務整理という法律上の仕事は、いったい何をすることなのだろうか。債務そのものを減額あるいはゼロにするのは、法律的にそれほど難しくはない。多額の債務を抱えている人が債務整理の相談をすると、自己破産を勧める弁護士が多い。しかし、ある人が抱えている債務をゼロにするのが、そんなに自慢できることなのだろうか。債権者の債権を、裁判所の力でゼロにするのである。ゼロにされた方の立場も、考えてみなければならない。そして、自己破産を申し立てた弁護士は、しっかりと相応の報酬を得るのである。最近は、自己破産のバーゲンセールが横行しているのが現実である。

かつて、私たち法学生は“リーガル・マインド”というものを徹底的に教え込まれたものである。ところがこのリーガル・マインドというのが難しい。法律を学ぶ学生はリーガル・マインド、リーガル・マインドといわれるが、本当のところ、その実体が分からなくて苦労したものである。リーガル・マインドとは、言葉通りに解釈すれば“法の精神”ということである。これがまた、難しい。
   ちなみに、英語で権利のことを right という。You are right! (あなたは正しい)の、あのright だ。rightとは、正しいという意味である。「正しいことを主張する者に、利益を与える」─ これが、権利=rightの実体である。リーガル・マインドを解釈する上でこのことを考えれば、おおむね間違いはないと私は考えている。

こう考えると、多額の債務があるからといって、単純に、自己破産を安易に勧める弁護士は、どこかおかしいと考える方が普通である。肝腎の依頼者が『自己破産はできれば避けたい』といっているのに、『自己破産しかありませんね』と、強引に押し切る弁護士さえいる。これは問題である。
   確かに、破産したからと法律上の大きなデメリットがある訳ではない。しかし、破産者に対する世間の評価は、そんなに軽いものではない。自己破産という債務整理の方法を選択する場合は、他のあらゆる方法を説明した上で、真に已むを得ない場合にのみその途を選択すべきものと、私は考えている。

  • 公開日時: 2011年06月28日 05時06分
  • 分類: General
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